Campbellの因果推論 -統計的結論の妥当性-

目次

 1. はじめに

 2. 4種類の妥当性

 3. 統計的結論の妥当性への脅威

 4. 終わりに

#心理学 #社会科学 #会計学 #因果推論



1. はじめに

心理学(やたまに社会科学)では、RubinやPearlの因果推論と並んで、Campbellの因果推論が取り上げられる。このブログでは、Campbell(キャンベル)の因果推論で中心をなす4種類の妥当性とその脅威となる問題について取り上げる。主な参考文献は以下の2章・3章(訳がこなれてないのはスルーしてね)。



2. 統計的結論の妥当性

 統計的結論の妥当性とは、「処置と結果の間の相関(correlation)または共変動(covariation)についての推論の妥当性」を指す。会計学の大体の研究では因果効果を説明しているふりをして、相関関係でお茶を濁していることが多い(悪いとは言っていない)。

 相関があるのに因果関係がないという場合は結構存在する。具体的には、以下のブログが参考になるだろう。


3. 統計的結論の妥当性への脅威

 今回は4種類の妥当性に対する脅威からを統計的結論の妥当性に脅威取り上げて見よう。統計的結論の妥当性に脅威を与えるものとして以下の9つを述べている。


(1) 低い統計的検出力(Low Statistical Power):不十分な検定力しかない実験は、処置とアウトカムの間の関係が有意でないと不適切に結論付けるかもしれない。 

(2) 不適切な統計的検定の仮説(Violated Assumption of Statistical Test):不適切な統計的検定は、効果の大きさと有意性の過大(過小)評価を導く。 

(3) フィッシングとエラー率問題(Fishing and Error Rate Problem):有意な関係を示すために繰り返し行われた検定は、統計的有意性を人工的に高めることを可能とする。 

(4) 信頼できない測定値(Unreliability of Measure):測定誤差は二変数間の関係を弱め、三変数以上の間では強めも弱めもする。 

(5) 範囲の制限(Restriction of Range):変数についての範囲を狭めることは、当該変数と他の変数との間の関係を弱めることとなる。 

(6) 信頼できない処置の遂行(Unreliability of Treatment implementation):標準化された方法で実施するつもりの処置が回答者の一部分にしか実施されなかった場合、効果は全て処置を行った場合と比較して過小評価されるかもしれない。 

(7) 実験の設定での余計なブレ(Extraneous Variance in the Experimental Setting):ある実験の特徴が効果の検出を難しくさせる場合、ある実験の特徴がエラーを増加させる。 

(8) 単位の不均一性(Heterogeneity of Units): 他の条件を一定として結果変数の変動が増えれば、関係の検出がより難しくなることにより誤差分散も増加する。

(9) 正確でない効果の推定(Inaccurate Effect Size Estimation):ある統計学は、体系的に効果の量を過小評価または過剰評価する。


4. 小括

 今回はキャンベルの4つの妥当性から、統計的結論の妥当性及びそれに与える脅威を紹介した。統計的結論の妥当性は、統計的な分析をするに当たって、非常に重要なものだと思う。以下に参考文献を上げておこう。

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